脳梗塞の中のBADとは…~軽症だったはずが症状悪化していく恐怖~

どうもハイドです。今日は(一応)ラクナ梗塞に含まれるBADについて書いていこうと思います。

ラクナ梗塞とは、先日説明した通り小さな穿通枝の血管が詰まることで、軽い神経症状が出るといった病態です。

しかし、その中でも症状が悪化していく疾患、BAD(Branch atherromatous disease)について書いていこうと思います。

初めてBADの患者をみる看護師はビックリされると思います。また、患者さんも徐々に症状が進行していくことに恐怖を感じられると思います。しかし、それがこの病気の特徴。僕も初めてBADの経過を辿る患者を看たとき、はやく家に帰りたいとまで思いました。
どんな治療をしても症状が緩和されない、むしろ悪化する。それも短時間で。患者さんは間違いなく苦痛でしょうし、看護師は患者を守れないことに対して恐怖心を持つ人もいるんじゃないかな。

だからこそ、BADには正しい知識を持って立ち向かう必要があるきがします。そこで僕が知ってる限りのBADについてを一つ一つ書いていこうと思います。




BAD:B(branch=枝)A(atheromatous=アテローム性の)D(disease=病気)という意味です。アテロームによる動脈の病気と直訳できます。よくわかりませんね。
でもこう解釈すると分かりやすいです。「アテロームによる脳梗塞(=A)だけど、穿通枝(=B)が詰まった病気(=D)だよ。」これならまぁ納得できるかも。要はアテローム血栓性脳梗塞(脳の主幹動脈狭窄・閉塞による脳梗塞)とラクナ梗塞(穿通枝梗塞)の中間的な位置づけ。だから最初は軽症に見える、画像上も小さな梗塞しかない、でも症状は徐々に悪化する(アテローム血栓性脳梗塞と同等レベルの症状が出る)。

これなら納得できるかな。僕はこれで納得してます。

では、医学的にはどのようにまとめられているかというと。

BADは主幹動脈(内頸動脈や椎骨動脈・脳底動脈など脳に入っていく動脈たち)から穿通枝へ入っていく入り口部分が、微小アテローム斑(microatheroma)により狭窄or閉塞することによりその先の脳細胞が虚血状態に陥る。
画像上では直径1.5cm以上の梗塞巣が出現する。

頻出部位
①外側線条体動脈(←中大脳動脈より分岐←内頸動脈より分岐):運動・感覚神経の通り道
②傍正中橋動脈(←脳底動脈より分岐←椎骨動脈より分岐):脳幹を栄養

診断のためには…
①の場合、梗塞巣がMRI上水平断3枚以上に及ぶもの
②の場合、橋腹側に接している状態のもの
を有するものが「BAD」の診断を受けます。また、これに「主幹動脈の高度狭窄(50%以上の狭窄)・心原性脳塞栓を含まない」ことが必要。

症状としては片側性の運動麻痺・感覚障害・呂律障害などが有り、どれも軽症であったのが経時的に症状悪化の一途をたどることが特徴。

治療:点滴による加療を行う。第一選択として選択的トロンボキサンA2合成酵素阻害薬(オザグレルNa・キサクロットなど)により血小板凝集を抑制します。が、それでも症状が悪化する場合は。選択的抗トロンビン薬(アルカトロバンなど)・抗凝固・抗血小板薬などを使うこともある(=未だに決定的な治療法が確立されていない)。
脳保護薬(エダラボン・ラジカットなど)による症状悪化をおさえる治療を行う。

また、低分子デキストランにより血液希釈を行い、CBF(脳血流量)を低下させ、MTT(脳血流循環時間)を上げることにより血管拡張を促し、血流を改善させる治療を行うこともある。

以上の治療をしても、治療に抗い症状を悪化させるBAD。
さらに様々な薬剤使用による副作用、出血傾向となる恐れもある。

そのため、BADの治療は難しい。

家族も不安になるだろう。そのため、看護師は患者や家族がその不安を少しでも軽減できるよう、医師に働きかけ、その時々で状態の説明を患者・家族にする必要があると思う。また、症状の経過を経時的(一時間毎に神経所見を観察する等)に観察し、悪化した際はその都度医師に報告することで、患者の麻痺の程度を最小限にとどめられるかもしれない。

BADは、他の脳梗塞よりも看護師の行動が重要であると思う。

だから、BADを持つ患者があなたのもとに来たら

症状悪化を恐れず

患者の症状のサインを見逃さず

たちむかう勇気を持つ必要がある。   と僕は思う

ってこんなところで。理解しにくい病態だと思うので。

分からないことがあれば質問コーナー。コメント欄へ。

どうぞおおおおおお。おしまい

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